記憶を消してもう一回読みたい:「猫の傀儡」
こんばんは、みなもりみなもです。
今回は猫好きで猫飼いが紹介する小説についてです。
※ただの読書感想文です。
最初から最後まで猫たっぷり
私がすごく好きな本で、
タイトルにも書いた通りなのですが記憶消してもう一回読みたい小説です。
買ったのは結構前で、すでに読み終わってから結構時間は経っているのですが、
内容はしっかり覚えていたので、記事に残しておこうと思います。
きっかけは書店で見かけて何となく気になったいつものパターンなのですが、
いつもは表紙の見た目に釣られるところを、この本はタイトルに釣られて、
中身を少しだけ読んで、文章の雰囲気が読みやすかったので
「よし、買うわ」となりました。
あ、写真撮る時、帯外しておけばよかったなぁ……
「猫の傀儡」
著者:西條奈加
概要は光文社の紹介ページより抜粋。
猫町に暮らす野良猫のミスジは、失踪した先代・順松の後を継いで“傀儡師”となった。人を遣い、人を操り、猫のために働かせるのが傀儡師だ。さっそく、履物屋の飼い猫から、花盗人の疑いを晴らしてほしいと依頼があり、ミスジは狂言作者の阿次郎を連れ出した。次々依頼をこなす一匹と一人は、やがて、順松失踪の意外な真相に――!? 時代ミステリーの傑作!!
猫の傀儡 西條奈加 | 光文社文庫 | 光文社
時代は江戸。「傀儡」として選ばれた人間をうまい具合に誘導して、人間視点の情報を集めさせたり(証言を集めたり)、猫にとっての問題を解決させたりする。そんな話。
時代物っていうとちょっと取っつきにくそうだと思われそうですが、
そんな事はなく、結構サラッと読めます。(個人の感覚ですが)
ストーリーは猫中心で、猫視点で書かれているので、
時間の伝え方が瞳孔の細くなり具合で表現されていたりとか、
猫ならではの言い回しがあったり、時には他の動物とも少しばかり関わったり、
人間が主人公の時とは違うわくわく感があります。
ただ、猫が中心の話であるので、猫の事件に関係性がある人間の事件は真相が分かるものの、猫の問題・事件に関わった人間が最終的にどうなったかは詳しく書かれていない部分もあったりする。こうなったのかな~~くらいの想像は出来るけども。
人間の方も気になっちゃう場合はちょっとモヤるかもしれない。
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持ちつ持たれつの関係性が好きなので、
「傀儡師のミスジ(猫)」と「傀儡にされた阿次郎(人間)」の関係性が
とても好きです。
最後まで人に猫の言葉は通じないままなのだけども、
言葉が通じないなりの伝え方だったり、
でもたまに、通じるところがあったりして。そんなところがとてもいい。
この一匹と一人いいコンビだなぁ……なんて思いながら読んでいました。
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この本のすごいなぁって思う所は、猫の仕草や感情表現とか、
猫の生態についてがちょいちょい盛り込まれているところ。
(もちろん小説内だけの設定もあるけど。)
動物関係の番組とかよく見る人が読んでも楽しめそう。
今、こういう動きなんだろうなぁ~、
尻尾こんなふうに揺れてるんだろうなぁ~とか。
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最初から最後まで猫たっぷりなので、猫好きの人にはそれとなく勧めたい。
でも同時に、一部の猫が酷い目に合うのであまり強く勧められない作品だなぁ
とも思う。
何にしろ、興味があれば読んでみてほしいな……。
猫と時代小説が嫌いでなければ。
今回は此処まで。